- こどものみかた
「きちんと」ではないけれど…

保育園でお友だちと遊ぶことを楽しみにしている子どもたち。その子どもたちの様子をみているといろいろな姿を見ることができます。
体を動かすことが好きな子や静かにじっくり遊ぶことが好きな子、ダンスが好きな子や歌うことが好きな子、おしゃべりが好きな子、絵を描くことが好きな子…。友だちとことばのやり取りをしながら遊んでいる子や自分の好きなことを黙々と楽しむ子などそれぞれの遊びにも好みがあり、いいところがたくさんあります。
みんなで集まる集会や、集団遊びなど保育園ではみんなで一緒に楽しむ活動もたくさんあります。お友だちと一緒だから「やってみようかな」、「やりたい」と思えることもあります。けれど、中には自分のペースで進めたい子やみんなと一緒にするのに時間を要する子もいます。みんなが集まると、距離をあける子もいます。
そんな子の様子を少し観察していました。
集会で集まったとき、お隣の友だちにどんどん近づいて当たっている子がいました。集会でのおはなしがその子には興味のないものだったのかな…と思いながら観察。さらにどんどんとお友だちに近づいていきますが、同時にお友だちも場所を移動し、当たらないようにしました。そのため、トラブルにはなりませんでした。そのまま様子をみていると、隣の子へ近づくことはやめて、今度は前のお友だちに近づいてみたり、寝転んでみたり…。でも、そこでもまわりの子がスペースをあけたことで、大きなトラブルにはなりませんでした。そして、お話が終わり、クラスごとに集まると担任のそばにいき、クラスの子と一緒に集まっていました。時々は、少し離れたところに行ったりしていましたが、きちんとクラスに戻ってきます。そして、担任の「○〇してね」をきちんと聞いていたようでしっかりと準備できていました。一見、聞いていないように見える子ですが、きちんと聞いていたことがわかりました。
集団でのゲーム遊びの時。なかなか自信が持てずに入れない子がいました。じっと見て、やりたそうにしています。「一緒にやろうか」と声をかけても首を横に振るだけ。「〇〇ちゃん上手やね」と言うと、「うん。でも△△(自分)もできるで」など活動を見ながら関連する話をしていました。何度も何度もしっかりとみて、観察して、その子は自分で納得し「できる」と確信に変わったときに自分から参加するようになりました(その間6か月ほど)。その子は「参加したくない」のではなく、みんなのことをしっかりと見て観察し、「見る」参加をしていたのです。
大人からすれば、どちらの子も「きちんと」した参加ではありません。なまけやずるいと思われがちな様子かもしれません。でも、子どもからすれば、聞いていないわけではなく、参加していないわけでもありませんでした。
興味をもてる話ではなかった、けど、話は聞いていた。
参加していないわけではなく、見て参加し、最終的にはみんなと一緒に活動できた。
このような子どもの姿から、子どもを「信じて」「待つ」ことの大切さをいつも教えてもらいます。こちらが信じなければ子どもたちも私たちのことを信じてくれません。人と人の信頼関係って大切です。保育を通じていつも教えてもらっています。
乳幼児期の今、信頼できる人がいて、この世界って素敵だなと感じられることをたくさん経験してほしいと思います。そして、人を信じることができて人との関係を築いていける、そんな人としての土台を作っていきたいと思います。
子どもたちの長い人生が豊かなものになるように、お友だちとの遊びの経験をゆっくり見守っていきます。
